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1.2. モーター音・走行音を切り出す

イヤホンやヘッドホンを使う

まず、車両を作るときは必ずイヤホンやヘッドホンを使います。
イヤホンやヘッドホンのほうが、細かい雑音やプツプツ音、音量・バランスの不自然さなどに気づくことができます。
こだわりのスピーカー環境をお持ちの場合はそちらをお使いいただいてもよいと思います。

Run音を切り出す

まずは走行音(Run音)を切り出します。
Bveは時速90kmで走っているときに、Run音を再生速度100%で再生します。
時速90kmで惰性走行している音を探し、切り出して、「時速90kmの音程(一定の音程)でループ再生できる」音声に編集し、車両データに使用します。
時速90kmより速かったり遅かったりする場合は、音声編集ソフトで「時速90kmの音程」になるように編集します。

「時速90kmの音程」の探し方
線路の継ぎ目の音が聞こえる場合は、25mレールの継ぎ目の音がちょうど1.00秒間に1回流れる速度が時速90kmです。
他には、かぶりつきをして調べる、モーターの音が入るように速度計の動画を撮る、またはYouTube等の動画サイトで速度計の動画を探す、同じ車輪径・歯車比の車両で時速90kmの音程を調べる、などの方法があります。

音声の編集方法
BVE Workshop さん(https://bvews.jpn.org/)の「アドオン制作講座」に、実例を添えながら詳しく述べられています。
音声編集に役立つソフトウェアも公開されていますので、ぜひご参照ください。

種類を複数用意する
ロングレールの他に定尺レール、トンネル、地下、橋梁、スラブ軌道など、複数の音を準備します。
このとき気をつけたい点として「音の特性をできるだけ合わせる」というのがあります。
たとえば、ロングレールではモーターの音がよく聞こえていたのに、定尺レールになった瞬間にモーターの音が聞こえなくなるとか、音量そのものに差が出てしまうとか、左右のバランスが変わるなどは運転中の違和感に繋がります。
おすすめなのは、ロングレールの走行音を用意しておき、そこに他の音を重ねる手法です。そうすればメインとなる音がぶれないので、切り替わっても違和感が生じません。

左右の音量バランスを整える
左右の音量のバランスを整えるのは非常に重要です。本来は真ん中から聞こえるべき音が左や右に偏っていたり、それが音声によってばらけていたりすると運転中の違和感の原因になります。
SoundEngine Free という無償ソフトにオートバランス(左右音量差調整)という機能があり、自動で処理をしてくれます。レコーダーのマイクの特性にもよりますが、大概の音声は真ん中から聞こえるように思えても左右どちらかに偏っていますので、必ずこの処理を通すことをおすすめします。
なお、SoundEngine Free はステレオ感を損なわずに左右の音量差だけを調整してくれるのでよいのですが、中には、左右の音を混ぜるような処理を行い、ステレオ感が薄れてしまうようなソフトもあるので注意してください。

モーター音を切り出す

力行や電制など、モーターに電流が流れているときにBveで再生される音を、ここではモーター音と呼びます。
モーターの音だけでなく、VVVFインバーター制御や電機子チョッパ制御などで聞かれる「キィィィーーン」とか「シュォォォォ」とか「プーーーー」といったような音もこれに該当します。
基本的な作り方は上と同様です。
① モーター音のうち、切り取りたい部分を切り取る
② 雑音(SIVやCPなど)があれば取り除く
③ 音程を一定にする(BVE Workshopさんの「Pitch Flattener」が便利)
④ ループ再生したときに始端終端でプツプツ言わない状態にする(BVE Workshopさんの「Audio Loop Maker」が便利)
⑤ 左右の音量バランスを整える(「SoundEngine Free」が便利)
詳細な編集方法は、BVE Workshop さん(https://bvews.jpn.org/)の「アドオン制作講座」をぜひ参考になさってください。

電車から発せられる音であれば、神経質に雑音を取り除く必要はない
これも流派の分かれるお話かと思いますが、私は神経質にすべての雑音を取り除く必要はないと思っています。
もちろんクシャミとか鼻をすする音とかは除去すべきです。
一方で、短い空気ばねの音、連結器や制輪子の音などは、実際の電車で加速時・減速時に鳴っている音なわけですから、再生速度を変えながらループ再生したときに不自然でなければ、無理に消す必要はなく、逆に実車の特徴をよく捉えた車両に仕上がることもあります。(私自身も、付属編成さんのJR東西線の207系を運転して気が楽になった部分です。)
同じ速度域で必ず雑音が鳴ってしまう車両というのもあります。そのときは、消さずにそのままMotor音に組み込んでしまいます。

応用編:できるだけ細かく区切るほうがリアルさは増す
音声の切り方を細かくすればするほど、(作るのは大変ですが)運転したときのリアルさは増します。
ざっくりと言えば、30km/h刻みで音を切り替えるよりも、20km/h刻みで切り替えたほうがリアル、ということになります。
VVVFインバーター制御車特有の変調音についても、1変調あたり1音とするよりも、1つの変調の中でも低いときと高いときで2~3個の音声に分けたほうが、ゆっくり加減速したときでも不自然にならないので、より実車に近い音になります。
以下の動画は、加速度・減速度を変えて運転してみた場合の比較です。各動画ともに前半・後半で分かれており、前半が通常の加速度・減速度のもの(±3.3~3.5km/h/s)、後半がゆっくり加速・減速したもの(±1.0km/h/s)です。

▼1変調あたり1音の例(西武6000系)
 

▼1変調あたり2~3音の例(京王8000系)


▼非同期音が2音の例(西武6000系)
 

▼非同期音が9音の例(京王8000系)


いかがでしょうか。
最初は大まかに作ってみて、運転してみて不自然だなと思う部分の音を細かくしてみる、でもよいかと思います。まずは気負いせずに作ってみるのが大事です。


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